先日、「
語学力と学習時間」というブログを書いたが、語学を習得するには本当に時間がかかると思う。だからこそ、いかにして学習時間を捻り出すか、捻り出した時間をどう有効活用するかは、特に忙しい社会人にとっては永遠の課題とも言える。
個人的な話だが、大学時代、ESS(英語研究部)ディベート・セクションに所属、その時の英語力は今にもましてお粗末だったが、連日、ディベートの「試合」準備に明け暮れ、真剣に英語を勉強する先輩や仲間に出会い、今まで色んな語学を勉強するいいきっかけになった。
大学卒業後もしばらくの間、他大学のディベート・セクションのインストラクターをしていたが、肝心の英語の勉強がおろそかになっていたこともあり、半年ほどインタースクール(通訳学校)に通ったことがある。当時、松本道弘氏の著書を多数読んでおり、英語の達人になるには「ディベートと通訳」の両方をやるべきだという意見に影響を受けたことも大きかった。
通訳の勉強をするには基本的な英語力がまだまだだったので下のほうのクラスに入ったが、それでも授業についていくのが大変だった。何が大変といって、まず宿題が多い。社会人にとっては本当にきつかった。そして、授業中の緊張感。通訳を目指す人が来ているわけだから当然かもしれないが、授業中にどんどん当てられ、通訳を求められる。仕事で疲れていようが何だろうが気が抜けず、授業が終わるとどっと疲れが出たのを思い出す。
もともと通訳になろうと思って通ったわけではなかったが、通訳は自分には無理だということが身にしみて分かった。それでも、そこで得たものは大きかった。シャドーイングを初めとする通訳訓練法の一端を学ぶことが出来たのだ。
今でこそ、シャドーイングと言えば語学学習に有効な手段としてかなり認知されているが、当時(1994年頃)は通訳を目指す人以外はほとんど知っている人はいなかったと思う。
当時は、英語の音源もなかった。インターネットが登場し始めた頃である。英語学習の音源と言えば、「カセットテープ」が主流の時代であった。英語放送を聞くために短波ラジオを買ったのも思い出す。
その後、ICレコーダー等の端末機器やMP3が登場、インターネットの普及もあいまって、語学学習の環境が劇的に改善した。当時のことを思えば、今の時代は恵まれすぎていて言葉もない。しかし、当たり前のことだが、どんなに環境が改善しても勉強しなければ出来るようにはならない。そこで行きついたのが下記の二点である。
「隙間時間の活用」は、ICレコーダーやアイフォン(iPod)をフル活用。最近は、電車の中でもアイフォンで情報収集したりして時間を有効に使えるようになったが、例えば、歩いている時はさすがに他のことはなかなか出来ない。そこで、どこかに出かける時、歩く時間は何かを聞く時間にした。聞く素材は、下記の三種類。
- ポッドキャスト(日本語・外国語ニュース中心)
- 語学学習教材(その時に学習しているものを繰り返し聞く)
- ICレコーダーで録音した授業等
授業の録音については、授業がある時は、録音して授業後すぐに聞き始めて一回目の復習、寝る前にも聞いて朝起きてまた聞く。脳科学の忘却曲線に応じた聞き方として、この3つのポイント(直後、寝る前、起きてすぐ)は常に意識している。勿論、毎回、全部きちんと聞いてるわけではなくて、かなり流し聞きしている。二回目以降の復習はスピードを早めて聞くことも多い。基本的に、ざっと聞いて教わったことの大枠を忘れないようにという聞き方と、よく分からなかったところは何度も聞くという使い方をしている。
語学学習教材、例えば教科書本文のMP3等は、シャドーイングが完全に出来るようになることを目標にしている。シャドーイングが完全に出来るということは、細部まで理解しなければならず、音声知覚の自動化が高いレベルでなされるということを意味する。そうすることで、言語の理解能力だけでなく、使用能力も大幅に高まる。いつ、シャドーイングするか。勿論、歩きながらである。家で時間のある時にじっくりシャドーイングしようと思うと、なかなか出来ないが、聞いている時にシャドーイングするだけだから、歩きながらするのが理に適っている。あまり人目につきそうなところでは勧められないが、その辺は常識の範囲でやっている(つもりである)。
ポッドキャストは、どちらかというと情報収集が主目的であるが、英語や中国語のポッドキャストでお気に入りのものは、歩きながらシャドーイングする。こちらは、実践、練習用で完全に出来ることは目標にしていない。そもそも大半はテキストがないので目指しようもない。
勿論、音楽を聞くこともあるし、全部きっちりやっているわけではないが、習慣としてはすっかり身に付いている。特に中国語は、日本人は文字情報に頼りがちだと思うので、音声知覚プロセスの自動化の練習が重要だと思う。そこで、このポッドキャスト(や教材のMP3等)+シャドーイング学習、時間のない人にこそお勧めしたい。
 |
SANYO ICR-PS603RM
愛用のICレコーダー 価格.comを見たらかなり値下がりしててびっくり。 |